シロアリは建築物の害虫として最も重大なものです。日本では、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、ダイコクシロアリ、アメリカカンザイシロアリの4種類が主要です。その中でもヤマトシロアリとイエシロアリは日本各地に広く分布していて、もっとも被害を激しいもたらす種となっています。

シロアリは、アリやハチと同じく社会生活を営んでいます。コロニーと呼ばれる一つの集団の中には、女王・王および、副女王・副王からなる生殖階級、職蟻階級、兵蟻階級などがあり、それぞれにはっきりした役割分担があります。





シロアリの食欲は旺盛で、通常私たちが食用にしないものでも消化します。特に建築材として使われる木材を大変速い速度で食べてしまうことは、私たちの住環境に対する大きな脅威といわなければなりません。

項目 喰害・加害物・速度
食用物 木材(特に建築物)、農作物、農産加工品、布類、皮革類、生きている樹木、書籍等の紙類、着物・洋服等の衣類繊維
加害物 砂粒、コンクリート、モルタル、化繊類、ゴム類、ビニール類、電線、ケーブル線
木材 あらゆる木材を喰害、特に米マツ、米トガ等の外材。内地材では、マツ、スギを好む。
速度 イエシロアリ一箇の巣で30平方cmの木材を10日間で喰いつくす
樹木の喰害範囲 生きた木は概ね心材中心部より喰害し、木の高さ1/3の高さ迄喰害し、次から次へと連鎖的に喰害していく





羽アリはシロアリ害の目印として考えて頂いて結構です。すでに以下のような羽アリの群生が見られるようでしたら、相当にシロアリ害は進んでいます。

  シロアリの羽アリ クロアリの羽アリ




 
ずん胴 くびれ腰
触覚 じゅず状 くの字形
前羽と後羽の大きさが同じ 前羽が大きく後羽が小さい





国内で主要なシロアリは4種ですが、特に喰害が激しいのが下表のイエシロアリです。非常に堅牢な組織力を持ち、喰害の速さが猛烈なのです。

項目 種別 イエシロアリ ヤマトシロアリ
有翅虫
(はねあり)
体長 7.4〜9.7mm 4.5〜7.5mm
体色 黄褐色 黒褐色
群飛期 6〜7月頃の温暖多湿な夕刻に灯火に集まる 4〜5月の雨上がりの昼間
兵アリ 体長 3.8〜6.5mm 3.5〜6.0mm
卵型 淡褐色 球型 淡褐色
分泌物 大?に触れると白色の分泌物を出す 白色の分泌物が出ない
アリ道 断面 半円型 長円型
内面 清潔 不潔
状態 大きい、清家悦、王台をもち整然としている 小さい、不潔、王台なし、加害場所を兼ねる
頭数 50万匹〜100万匹 1万匹〜3万匹
被害 加害箇所 清潔・猛烈で加害速度迅速 不潔・軽微で加害速度遅い





建築物に被害を与えるのはシロアリたけではありません。ヒラタキクイムシ・チビタケナガシンクイムシ・マツザイシバンムシなどのキクイムシも大きな脅威です。特にラワン材等南方産広葉樹のヒラタキクイムシの虫害が全国的に被害が拡大しています。





キクイムシはシロアリとは異なり広葉樹の乾燥材を好むことから、住宅の湿気対策だけでなく、キクイムシ対策も必要となります。

項目 ヒラタキクイムシ シロアリ
分類 鞘翅目 等翅目


変態 完全変態(卵→幼虫→蛹→成虫) 不完全変態(卵→幼虫→成虫)
生活 単独生活 集団(社会)生活
成虫の寿命 短い 10日ぐらい 長い(イエシロアリの女王・王は10〜15年)
産卵 年1回 広葉樹の導管内に産卵
10〜15日で孵化
年数回以上 多数 約1ヶ月で孵化
食物 デンプンを好む セルロース
食害する種類 主として幼虫 職蟻

加害材 広葉樹のみ 針葉樹・広葉樹の別なし
加害材
の含水率
乾燥材を好む 湿潤材を好む
材質 辺材のみ 心・辺材の別なく加害するが辺材を好む
食害痕 材表面に1〜2mmの丸い孔があき 木粉や虫糞を排出する 材表面からはなかなか認め難い





日本に生息するキクイムシの中で建築物を喰害するものとしては、以下の4種が特に知られています。

ヒラタキクイムシ 乾燥したラワン・ナラ・ケヤキ等の広葉樹を喰害
シバンムシ 古い建築物の木部を喰害
タケナガシンクイムシ ラワン・キリ等の外ヒノキ・スギなど針葉樹も喰害
マツザイシバンムシ 集団(社会)生活